最後の生放送


今は娘。


ミュージックステーションにおいて、ミニモニ。が、生放送で最後のテレビ出演をしました。


CD音源の上にかぶせていたのか、ところどころ歌が二重に聞こえた気がして、見ているこ
ちらがドキドキしました。
中途半端にするくらいなら、口パクにした方がいいと思うのですけれどね。
生歌の方がいいに決まっていますけど。

最後の最後まで、たまに複雑な表情を見せながらもみんな元気で、まさしくミニモニ。
aiko平井堅など、ハロプロと相性のいい(偏見)出演者たちのまったりした雰囲気に、
許されてるなあと愛を感じたり。
ラッキーチャチャチャの激しい振りつけを見ても、タモリはまだ「なめとる」とか言いやが
るのか、とカチンときましたが、逆にこのお約束を聞くのも最後かと思ったり。


私はいつものユニットの終焉とはちがった心持ちで、彼女たちを見ていました。
思えばプッチモニタンポポカントリー娘。に……、などなどハロプロ系のユニットのな
かでメディアに置いて、こんなに明らかな「終わり」を用意してもらえたユニットが他にあ
ったでしょうか。
矢口おやびんの卒業式にしろ、本当に特別なユニットだったのだな、と感じます。
愛されたからといって幸福な行く末をたどるとは限らないハロプロユニットのなかで、ミニ
モニ。だけは、役目をまっとうし、去ってゆく。だから、私たちも気持ちよく手を振ること
ができるんだ、そんな風に感じられました。


私は高橋愛ちゃん加入後のミニモニ。にはまったく興味がもてず、正直「勝手にやってる」
程度の思いで、このユニットを見つめていました。あまりにもビジネスライクな『人事』を
見せつけられた上で、真摯に応援する気持ちなど、持てるわけがありません。
新生ミニモニ。を認めることは、矢口に対する裏切りとまで思っていた節があります。
そしてそれは、タンポポにおいても同様でした。


紺ちゃん、柴田さん、ガキさん加入後のタンポポ
みんな好きな人たちで、石川さんのがんばりもよくわかっていて、だけれども心のどこか
で、脳天気に彼女たちを応援する気になれなかった。
タンポポは命より大事」
そんな風に言いきったカオリを知っている人間の多くは、同じ心持ちだったと思うのです。


そんな気持ちでいたところです。タンポポは事実上の活動休止状態となりました。
勝手な私は、また複雑な気分になりました。


あの子たちはあんなに頑張っていたのに、ファンが見放してしまったから、こんなことにな
っちゃったんだろうか……。だけど、前のタンポポで見ることのできない光景を見せてくれ
ていたら、前もいいけど今もいい、そう思わせてくれた第2期タンポポみたいな輝きを放っ
てくれてたら……
もう一度、素直な気持ちで彼女たちのがんばりを受け止めることができたのに、と。


このことに関しては、おそらく政治的な都合によるところが大きく、彼女たちの責任は少な
いはず。
けれど、そんなやりきれない気持ちを覚えたのは事実でした。


そして、ミニモニ。
タンポポと同じような気持ちで見つめていたユニット。彼女たちの評価を大きく変えたのは


ミニモニ。でブレーメンの音楽隊


この素晴らしいドラマの存在でした。


よく練られ、おそらく彼女たち自身に寄せて書かれた脚本。
丁寧で的を射た演出。
古くさいながらも心温まるやさしい物語。
本当に元気が出る、ミニモニ。の面目躍如のハイテンションな主題歌。
そして何より、画面中を元気いっぱい駆けまわる、ちっちゃくて愛らしくていじらしくて……
彼女たちにそっくりな、愛しいやさしい不器用な少女たち。


私ははじめて、高橋愛ちゃんがミニモニ。で良かったと思え、こんな素晴らしいドラマに出
会えたミニモニ。の幸運、このチャンスをおそらく相当の努力でより素晴らしいモノにした
彼女たちの底力に拍手を送ったのでした。


たぶん、だからなのです。
ミニモニ。の卒業をまるで、三年間の学生生活を終えた子どもたちを見るような気持ちで迎
えられたのは。


ミニモニ。どうだった?」と聞いたら、きっと彼女たちは笑顔で
「すっごい楽しかった!」と答えてくれるでしょう。
だから私も、
「そっか。きっと、次も楽しいよ!」
と、笑って言ってあげられる。


明日が本当の終わり。


本体だけでは見られなかった、たくさんの愛しい光景を見せてくれた偉大な4人に


ありがとう。


そして、誰よりもちっちゃくて、でっかい夢を持ったがんばり屋のおやびんにも


最大級のありがとうを。


心から。