長く助走をとった方がより


今は娘。


写真集の表紙じゃないけど、ポンちゃんは大きく飛んだなあ。


高く飛びすぎちゃって、まぶしすぎて見えない――彼女がセンターをつとめる「涙が止まらない放
課後」のテレビ初披露を見て、そんな風に思いました。
ほとんどシングルしか追いかけない、歌以外の部分重視のヲタとしては、ポンちゃんの歌をちゃん
と長いフレーズで聞くのは、ほとんどこれがはじめてで。


その声のやさしさが、すごく嬉しかった。


自分のイメージするポンちゃんそのものの歌声だったから。
歌に現れた女の子――すこし内気で泣き虫で、大好きな男の子がいて――その子はポンちゃん
で、ポンちゃんはその子でした。
この歌はたぶんポンちゃんをイメージして作られていて、その世界を裏切ることなくきれいに体現
する彼女が、ほんとうに誇らしかったです。


「ウチのポンちゃんはかあいいだろう!」


そう世界中に言ってまわりたくなりました。
その歌、その仕草、そのダンスの影にどれほどの道のりがあったかを、私たちは知っています。
すべてをこえてきた上で、花のように愛らしく咲く姿。


私はこの歌はかわいらしくていい歌だと思います。多面体のモーニング娘。の一番キュートな面
をこれでもかと押し出して。さくら組の楽曲を彷彿とさせるけど、個人的に甘すぎるように感じた
さくらよりも、大人びたミキティと石川さん、かわいくてコミカルなシゲさんの4人の魅力がすごく
きれいにあわさっています。


特にミキティ、表情がすごくいいです。髪型もじつに女の子っぽくて、今までとちょっとちがったか
わいさで、ほんとうに「化けられる」子なんだな、と頼もしくて仕方がありません。
先日の「ヘキサゴン」といい、トーク、ビジュアル、歌、安心して見ていられるモーニング娘。のた
めには、ミキティが今一番かかせない人材かもしれない。
以前はなっちが担っていたその役割を、ちがった雰囲気ながらもミキティが引き継ぎつつある気
もします。しかも、トークはなっちより強い。


無敵ですね、ミキティは。この無敵っぷりに世間よ早く気づけ。


たとえ押しメンにパートがなかったとしても、切れ切れにつまらない歌詞を歌わされ、楽曲として
もおもしろみのない――メンバーの魅力のみに頼った(それすらも作詞者の認識がヲタや本人達
とズレているという体たらく)「女子かしまし物語」に比べたら、何倍もいい曲だと思う。
この歌には世界が見える、風景が見える、言葉をコラージュしただけじゃない、ひとつの物語が
そこにある。


今まさにここにあるポンちゃんの魅力をすくいとってくれた、それだけでほんとに涙が出そうにな
ります。女の子の輝いていられる時間はほんとうに短くて、旬を逃すことの多いハロプロだけに、
今回の曲、ポンちゃんのセンターポジションに、私は心から拍手を送りたいです。


この歌から連なる出演というのは、ポンちゃん自身にとっても記念に残る日々なんだと思います。
だからこちらも、心して焼き付けてゆきたいと思っています。


卒業を間近に控えたリーダーのパートがなかったりすることや、今のれいなやキャメイにパートが
ないことが、さみしくないわけではありません。
だけどこの歌は仕方ないです。れいなやキャメには次がある。カオリンにもたぶん。


とりあえず、ポンちゃんおめでとう。


きっと今日はいい夢を見る。寝る前にベッドの中で、緊張したけどちゃんと出来たと思い出し笑い。


そんなポンちゃんを想像すると私は胸が熱くなって、もっといろんなこと頑張らなきゃと思います。


ありがとう。